納豆なんて比じゃないです

ねばり強さと諦めない心

祖母も私も全身にぐっしょりと汗をかいていた。祖母も医師も、手術が終わると、「よう我慢した、えらい、えらい」と、ほめてくれた。祖母の右手を見ると、その手は冷たく、紫色になっていた。医師はそれに気がつくと、急に祖母の右手をさすって介抱しだした。手術の間中、私があまりにも強くしがみついていたので、祖母の腕は諺血してしまったのだ。左腕でしがみついていたのだから、そんなに力はなかったはずなのに……。痛さと怖さで、私も必死だったのだろう。■ねばり強さと諦めない心。ときには、祖母に八つ当たりをして、恨んだこともある。「おばあちゃんのせいで、こんな辛い目にかじ遭わきれて」。私は、腹立ち紛れに、くわえた指先を噛ることもあった。しかし、「こんちくしよう、こんちくしよう」と思いながらも、絵を描き続けたのがよかったのだろう。真っ直ぐな線、きれいな円を描きたいと、指先を伸ばしたり、曲げたりして動かすことがリハビリになった。私の人差し指は、少しずつだが動くようになってきた。「動く、動くんだよ、おばあちゃん」。私の指の微妙な変化に、一番喜んでくれたのは、祖母かもしれない。私も嬉しかった。

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